映画や読書の感想
2016年05月05日
クランフォード シーズン1、2

原作は「おんなだけの町 クランフォード」。
19世紀初頭、昔ながらの規律、習慣を守るギリスの片田舎クランフォード。
ここで起こる出来事が女性の視点で淡々と語られるストーリー。
中心となるのはジュディ・デンチ演じる老女。質実剛健、暮らしに厳しい姉(イメルダ・スタントン)と暮らす。
二人とも未婚。姉妹は最強で、日常のなんでも自分たちでこなす。
この二人の家に、継母との仲がうまくいかず、マンチェスターから二人を頼ってやってきて居候している女性がおり、彼女が語り手となってストーリーがすすむ。
ジュディは結婚寸前までいった相思相愛の相手がいたが、姉のことを思い、断念したロマンスがある。
年取った医者が一人いるが、そこにロンドンで医学の勉強をしていた息子が医者となって戻ってくる。
新しい医療技術、これまでにない治療に人々は戸惑うが、腕はたしかで何人も助ける。
この青年は教会の牧師の娘に恋をする。
その娘は母がなくなり、父を助け、まだ20歳前なのに、弟妹の母親代わり。けなげに父を助けている。
そういう母性的な姿に医師青年は惹かれたのだ。
この青年に恋をする町娘も現れる。
風邪を治してくれたことから青年が自分に恋してるとカン違いして、その気になってしまった。
全くの誤解だが、だんだん婚約者となったと思い込み青年を付け回す。
イギリスは鉄道がどんどん広がっている時代、クランフォードにも駅ができることになる。
大農場の一角に線路が通ることになり、農場主の未亡人とヨーロッパ遊学中の息子の葛藤。
農場近くの草薮で暮らす一家とその家の利発な息子に全財産を贈る農場の土地管理人の男などーー。
なんでこんなに面白いのか。その時代の生活様式(家具、服装、しきたり、男女関係)を知ることができるし、
生活が単純なだけストーリーがシンプル。シンプルの中に人生の喜び、悲しみ、愛、人生が詰まっている
テレビドラマなので、コマ切れなのだが、次が見たくてたまらなくなって全部みてしまった
totoebi01 at 23:03|Permalink
2016年03月10日
「レヴェナント蘇えりし者」観ました
昨日、試写会のチケットが手に入ったのでいってきました。
雨で、寒い日でした。こういう日は人出も少ないだろうと急遽行くことに
あたり!せまい試写会室はすいてました。一つ置きにすわってもゆったり…
心ゆくまでレオ様と、トム・ハーディ様を鑑賞してきました。
『レヴェナント:蘇えりし者』 (C)2016 Twentieth Century Fox

右が監督 中央レオナルド 左はトムかな
何もかも濃い
監督アレハンドロ・G・イニャリトウさんの最初の長編劇映画は「アモーレス・ペロス」
これを東京国際映画祭でやった時、わたし、観ました
映画祭なので監督も登場 かわいい顔した若者でしたね(私も若かったけれど)
毛が濃くて、顔も濃くて、映画登場人物も濃い顔。しかも、ドラマも濃くて、分厚くて、しつこくて…
長かったですが飽きずに汗をかきながら観終わりました
感想?脂のしたたるステーキ肉を何枚も食べて、ちょっと胸焼け気味だけど、食った食ったって満足感。なんでしょうか、あのみなぎるエネルギーは
で、今回のレオ様のこれ。レオ様が濃くなってる!生きる執念に燃えてる。自然と戦っている。
猫たちとまったり生きている私にとって、動物と格闘したり、はらわた出したり、生魚、生肉食べたり…
真っ赤な血が河に流れたり、人を斧で叩き割ったり…の連続は目をそむけたくなるところもありました
上映2時間半の間には、レオ様が河でおぼれないか、毛皮のコートがあったそう、などと思ったり。
映画はやっぱり濃かったんですが、レオ様なので胸焼けなしでした
おまけにトム・ハーディ様も悪役でとてもいい味をだしていました。
圧倒的なエネルギーでした
アレハンドロ監督の創作欲は飽食からどう抜け出すかにもがくハリウッドのスターたちにマッチしてます。監督とハリウッドの役者たちとのコラボでまだまだヒットが続くでしょう
日本映画もかつてはこの映画のようにエネルギーあふれたものがあったのですが、
最近はさらっと醤油味。こういう人間関係をよしとしない国になってます。
本質を見ないで笑い飛ばす傾向の日本ーーこの映画は本質を見据えてしつこく追及していくエネルギーあふれる映画でした。
totoebi01 at 11:17|Permalink
2016年02月29日
おめでとう!レオ様!
やっと、やっと、やっとオスカーを手にしました。
おめでとう、レオ様 (88回米アカデミー主演男優賞)

レオナルド・デカプリオと言えば自分的には『タイタニック』。
NYU映画学科に短期留学した時、クラスで自己紹介の時間に好きな映画は『マイライフ・アズ・ア・ドック』といったらあれはいい映画だという人がいたが、そのあとに『タイタニック』と言ったら、苦笑する人がいた(感じわるいわあ)。
先生は、苦笑しながら「あの映画のどこがいいの?」ですって!
英語が堪能じゃないので、素晴らしい映画よといっただけ。
たしかベンハーと同数の受賞数なのに、主演のレオ様だけ候補にあがらなかった!
だけど、あの映画にジャックとローズの悲恋がなければただのパニック映画になっていたでしょ
しかもジャックがレオナルド・デカプリオでなかったらあれほどヒットしなかったかも。
船の先でローズと二人、新しい世界にむけて進んでいく海の先をみつめるシーンは素晴らしいですね
スチール写真を我が家に飾っています。
レオ様はかように、女性が夢中になるゆえに正当に評価されない時代を頑張りぬいて、耐えて、挑戦しつづけたのです(しんみり)。
タイタニックであげるべき、遅すぎ、遅すぎ。
でも、正装でオスカーを持ったレオ様、自信に満ちた大人になりましたね。ジャックでとっていたら、賞のありがたみがわからなかったかも。終わりよければすべてよし(まだ、終わりじゃないよ)
とにかくおめでとうございます。誹謗中傷に負けずこれからもがんばってください。
totoebi01 at 21:59|Permalink
2016年02月25日
ブラック・ギャング 欲望のバージニア 裏切りのサーカス マーガレットサッチャー鉄の女の涙
『ブラック・ギャング』
もっとシリアスで、政界、FBIに切り込んでいくかと思いきや、ギャングの世界にシフトが移っていき、ジョニーデップの変装ショーみたいになっていった。というのは言いすぎでしょうか。最高に面白い作品とは言い難いです。
『欲望のバージニア』

これ原題は『lawless』.。うまいこと日本語タイトル名を付けるなあ、と感心。
アメリカの禁酒法時代の男たちの欲望。この場合の欲は性欲でなく金欲。実話らしい。最強の3兄弟が生きるために無法時代をどう乗り切ったかーーなど私が書くと教科書みたいでつまらないが、はらはら、どきどき、それにロマンスありで、最後は、言わないけど絶望じゃありません。ただ、なんであの女は店に戻ってきたのかなあ、それがちょっと疑問。
主演で兄弟の二男、フォレストをやったトム・ハーディがとってもセクシー(マッド・マックス早く観たい)。存在感が半端じゃない。ほかにあのゲーリー・オールドマン、あのガイ・ピアースなど曲者が勢ぞろい。こちらもこれ以上ない悪役ぶりを発揮。すごいです。ただ一人普通だったのは三男役のシャイア・ラブーフ。ほかの男たちが濃いので、薄く見えたのかな。彼の恋人役で、のちに『アリスワンダーランド』で主演となった ミア・ワシコウスカがきれいだった。フェルメールの絵からでてきた女性のようだ。
『裏切りのサーカス』
トム・ハーディといえばこの映画にも出ている
題名だけみるとサーカス団が裏切ったのか(笑)。何かわからないところに興味を引かれてみたら、サーカスとはイギリスの秘密情報機関の別名。そして、役者が、これまた『欲望のバージニア』とダブル。どっちが製作はやかったかな。主演はゲーリー・オールドマン、諜報部員にコリン・ファースと超成長株のベネディクト・カンバーバッチ。とても面白いスパイものだった。
『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』
偉い女性のツルーストーリーだが、認知症がはじまったサッチャーを中心にいろいろ回想していく構成。
認知症になった方の、意味があまりわからない行動もこれを見るとなるほどと思ってしまう。
なにも病気になってからスタートしなくてもと思ったが、どうなんだろう。
いまいち退屈だったのは自分がイギリスの現代史に疎いからかな
totoebi01 at 14:05|Permalink
2016年02月09日
ブリッジ オフ スパイ

トム・ハンクス主演、監督スピルバーグ 脚本コーエン兄弟
前半の舞台がニューヨークで、後半がベルリンときたら、観に行かないと!
久しぶりにがら空きの劇場でゆっくり映画を楽しむことができました
冷戦の時代、1950年代後期から1960年ごろにあった実話。
ソ連のスパイがアメリカで逮捕され、東ベルリンでアメリカの秘密偵察機が爆撃されパイロットが捕まった
この米ソ二人の捕虜と、さらに東ドイツで捕まったアメリカ国籍のイエール大学院生、この米国2対ソ連1の捕虜交換を取り仕切った弁護士、ドノヴァンの話。
スピルバーグは私と同い年。若い監督、観客から見るとスパイ映画にしてはまったりしてると思うかもしれないが、私はドンパチ、PCを駆使した追跡、捜索なんかよりよっぽどスリルがあると思った。
ドノバヴァン弁護士(トムハンクス)の息子が、学校で核戦争の話を聞いて風呂に水を張ってその時に備えるのだと必死に訴えるところがあるが、実は私も、小さい頃、朝鮮戦争が勃発した時に、親から戦争になると日本も巻き込まれるかもしれないから、寝るときに脱いだ服は枕元に置いてすぐに逃げられるようにしなさいと言われたことを覚えている。
舞台がベルリンに移るあたりから緊張感がましてくる。壁を作るシーンや壁を乗り越え東から西へ行こうとして銃殺される市民をドノヴァンが電車から目撃するシーンなどは迫力がある。
自分がベルリン滞在中は何気なく電車に乗っていたが、本当に見えない歴史がそこらじゅうにある街だ。
大学院生が解放されるチェックポイントチャーリー、兵士とスパイを交換するグリーニッケ橋へはまだ行ってない。
ドノヴァンとソ連のスパイの友情に、ほろりと来た。
totoebi01 at 23:57|Permalink








