夏が来れば思い出す…100年前の日本

2008年08月13日

原口鶴子著『楽しき思い出』

最近、暑くて外にでないのでマメにブログを書いています。

本日、『楽しき思い出』の注文が2冊。
いつからか映画とは別に本を口コミで知り、お申込みくださるお客様が増えている。
お孫さんの後藤夫妻がこつこつと復刻版を手作りしてきた甲斐があるし、鶴子さんの文才が評価されるのはとても嬉しいことだ。

『楽しき思い出』はご家族が映画完成を記念して、再復刻をされた新書版。お作りになっても販売ルートはないので、作品HPと上映会での販売、受注をお引き受けした。

もともとこの留学記を読んで映画製作をはじめたのだが、もうひとつこの本を中心に構成したのには訳がある。
資料を調べるうち、國枝マリ先生がコロンビア大留学中に英文でまとめたレポート(1978年)、荻野いずみさんが書いた研究書(1983年)は本当に完璧ですばらしかった。これ以上のものを映画でつくるのは、難しい。

そこで『楽しき思い出』を元にニューヨークの生活を中心にたどることを思いついた。
青春だ、命がけで海を渡った青春。
誰でもはじめて外国を訪れたら驚くだろう。感激することがあるだろう。そして、別れの感傷…、さよなら…もう二度と逢うことが出来ない建物、人々、時間。

幸いなことに新しい発見もあった。
パソコンのおかげだ。
本の中にホームステイ先としてNY州トロイのガーレー家とある。これをウエブサイトを辿って突き止めた。
アメリカには家系を辿るビジネスや家系マニアのサイトがあり、アメリカ中のガーレー家が出てきた。
その中から娘エディスという名前を見つけたのだ。
鶴子さんが1年間ともに暮らしたガーレー家の娘である。
娘の名前から父、母が特定できた。
この名前をもとにトロイ市役所、図書館、歴史協会に問い合わせて撮影に結びついた。

実際にトロイ市へ行って、本に書かれた家族関係や家の場所などの描写が正確なことがわかった。
カメラもテープレコーダーも普通に持ち歩くことができない時代に、きちんとした日本語で正確に描写しているが、どうやって記録したのか知りたい。
亡くなる前に、とにかく書き上げてくださったから、こうして100年後、鶴子さんの青春を私たちは知ることができた。最初に言葉ありき。言葉に感謝。

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