2012年03月
2012年03月26日
読書と楽しみ
家には本を読む環境がなかった。明治生まれの父はジャズのドラマーで、いまで言えばミュージシャンの子供。ジャズ仲間の南里文雄さんや松本文男さん、バンジョーの角田さん、ピアノの増尾さん、ベースの小峰淳一さん(すごくハンサムだった)らが遊びにきていた。小峰のおじさんは我が家の近くに住んでいて、道でよくお会いしたが女性中学生の私はドキドキ。でもとっても美しい奥さまがいた。父の話ではNO1ダンサーだったそうだ。
いたって柔らかい家庭で、父母に勉強しろといわれたことがない。家にある本といえば雑誌。「平凡」「明星」「ソレイユ」「スクリーン」などなど。単行本や文庫本は1冊もなく、本に接したのは小学校の高学年の時、近くに貸本屋ができて、そこにならんだ漫画や「江戸川乱歩」の明智探偵シリーズや「15少年漂流記」など字の大きな少年少女向小説がはじめてだった。
中学から女子だけのミッションスクールに入り、図書館に本がずらりと並んだのを見て驚いた覚えがある。最初は文章を読んでも文脈を追えず、感情移入もできずに映画雑誌専門。高校に入り、猛烈に読み出した。わからないまま友人の読んでいた太宰治や島崎藤村、夏目漱石(一年間の授業があった)など読み、海外ものではサルトル(嘔吐、悪魔と神)やボーボワール(娘時代ほか)、スタンダール(赤と黒)、ユーゴ(ああ無情)、キルケゴール(死にいたる病)、ジイド(狭き門ほか)など手当たり次第。
大学ではイプセンやベケット、ピランデルロ、シェークスピアなどの戯曲をよく読んだ。
でも一番読んだのは主婦時代。日常の家事と子育てで忙しく映画も旅行もいかれない。それで、近くの図書館で棚の端から借り始めた。勉強のためでなく、読みたいもとを次々芋ズル式に借りていった。ネットなどないから、読んでみないとわからない。そこで野坂昭如の自伝みたいなの読んで、どんどん昭和ヒトケタ時代に興味を持ち、作家で一番モテルのは吉行淳之介と書いてあったで、彼のをほとんど読破。もう一人のモテ男の五木寛之はどうも好きになれず、ほとんど途中でやめた。なんでだろう。
吉行淳之介の同世代の遠藤周作、安岡章太郎、近藤啓太郎、阿川弘之、島尾敏男ーー。なんか女性問題や家庭を書いてるのが多くて、主婦だったこともあり興味をもったのかもしれない。吉行淳之介は確かにハンサムだが、彼の彼女が宮城まり子で、中村メイコさんとも仄かな恋があったようで、なんか美男子は女性の容姿にこだわらないのかなあ、と意外に思った。きっと二人の女性には吉行氏が引かれる何かがあったのだろう。
で、いつからかノンフィクション、自伝、旅行記ばかり読むようになった。小説は疲れる。
いま最高の楽しみはグーグルの地図(路線の映像がでるもの)で、訪れた外国の町や通りを辿ること。迷ったところなど、丁寧に手にもった地図を片手に辿ると、ああここで曲がったのが間違いーーとかわかって楽しい。それに、海外に行く場合も多いに役立っている。なにしろ、ホテルの外形までわかるので、ほとんど迷うことがなく、目的地にたどり着くようになったのだ。
いたって柔らかい家庭で、父母に勉強しろといわれたことがない。家にある本といえば雑誌。「平凡」「明星」「ソレイユ」「スクリーン」などなど。単行本や文庫本は1冊もなく、本に接したのは小学校の高学年の時、近くに貸本屋ができて、そこにならんだ漫画や「江戸川乱歩」の明智探偵シリーズや「15少年漂流記」など字の大きな少年少女向小説がはじめてだった。
中学から女子だけのミッションスクールに入り、図書館に本がずらりと並んだのを見て驚いた覚えがある。最初は文章を読んでも文脈を追えず、感情移入もできずに映画雑誌専門。高校に入り、猛烈に読み出した。わからないまま友人の読んでいた太宰治や島崎藤村、夏目漱石(一年間の授業があった)など読み、海外ものではサルトル(嘔吐、悪魔と神)やボーボワール(娘時代ほか)、スタンダール(赤と黒)、ユーゴ(ああ無情)、キルケゴール(死にいたる病)、ジイド(狭き門ほか)など手当たり次第。
大学ではイプセンやベケット、ピランデルロ、シェークスピアなどの戯曲をよく読んだ。
でも一番読んだのは主婦時代。日常の家事と子育てで忙しく映画も旅行もいかれない。それで、近くの図書館で棚の端から借り始めた。勉強のためでなく、読みたいもとを次々芋ズル式に借りていった。ネットなどないから、読んでみないとわからない。そこで野坂昭如の自伝みたいなの読んで、どんどん昭和ヒトケタ時代に興味を持ち、作家で一番モテルのは吉行淳之介と書いてあったで、彼のをほとんど読破。もう一人のモテ男の五木寛之はどうも好きになれず、ほとんど途中でやめた。なんでだろう。
吉行淳之介の同世代の遠藤周作、安岡章太郎、近藤啓太郎、阿川弘之、島尾敏男ーー。なんか女性問題や家庭を書いてるのが多くて、主婦だったこともあり興味をもったのかもしれない。吉行淳之介は確かにハンサムだが、彼の彼女が宮城まり子で、中村メイコさんとも仄かな恋があったようで、なんか美男子は女性の容姿にこだわらないのかなあ、と意外に思った。きっと二人の女性には吉行氏が引かれる何かがあったのだろう。
で、いつからかノンフィクション、自伝、旅行記ばかり読むようになった。小説は疲れる。
いま最高の楽しみはグーグルの地図(路線の映像がでるもの)で、訪れた外国の町や通りを辿ること。迷ったところなど、丁寧に手にもった地図を片手に辿ると、ああここで曲がったのが間違いーーとかわかって楽しい。それに、海外に行く場合も多いに役立っている。なにしろ、ホテルの外形までわかるので、ほとんど迷うことがなく、目的地にたどり着くようになったのだ。