2011年05月

2011年05月05日

エクレールお菓子放浪記チャリティ試写

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4月20日過ぎからようやく『エクレールお菓子放浪記』のメイキング映画の素材整理をはじめた。
ドキュメントを作る場合、私は素材を全部見て、ノートにすべてのカットのメモと時間データを書き写すのがやり方。これが時間をくう。これをしないと、後で、混乱してめちゃめちゃになるからだ。素材は自分の撮影分と私が立ち会えなかった分をお願いした仙台の製作プロの方が撮影した分を合わせてDV1時間テープが約40本。その中から製作発表や打ち上げを抜き現場撮影分だけでも35本。連休真っ只中の今、データを書き終わり、必要な素材だけをPCに取り込んでいる。結構、製作中のエピソードなど思い出してなかなか進まない状態。

ところで、この映画の完成披露試写の3月10日はちょうどフランスへいっていて参加できなかった。フランスでは、この映画のメインテーマソングでもある「お菓子と娘」に出てくるラ・マルチーヌの銅像をメイキングに入れようということで、その撮影もやってきた。

♪お菓子の好きな巴里娘 ふたり揃えばいそいそと 角の菓子屋へボンジュール
♪選るまもおそしエクレール 腰もかけずにむしゃむしゃと 食べて口ふく巴里娘
♪残るなかばは手に持って 行くは並木か公園か 空は五月のみずあさぎ
♪人がみようが笑おうと ラ・マルチーヌの銅像の 肩でツバメが宙返り。

作詞者の西條八十はソルボンヌ大学に2年間留学し、その時に作った詩だという。このあたりにお住まいだったのだろうか。銅像の場所は16区、築100年以上の高級アパートが立ち並ぶ住宅街。インターネットであらかじめ確認し地図も持っていったが案の定迷ってしまい、わずか2,3カットなのに2日がかりに。最初、地下鉄ビクトル・ユーゴ駅で下りて地上に出たら5差路。教会を目印にビクトル・ユーゴ通りをアンリ・マルタン通りの方向に行くのだが、反対方向へいってしまい、寒くなってホテルに戻った。翌日、再度挑戦、やっと目印のカフェの前に来て、銅像の公園発見!無事ビデオ撮影とデジタルカメラ撮影ができたわけ。並木が3月上旬のため葉がなかったが、綺麗に手入れされていた。また、ツバメは空を飛んでいたが、鳩の方が多かった。

もう完成披露試写が終わって、スタッフの皆さんと会えないのかなあ、と思っていたら4月26日に急遽、チャリティ試写が行われることになった。最初の試写会の3月10日の翌日から、宮城県石巻を中心に撮影したこの映画の運命が急転したのだ。チャリティ試写にはテレビ、新聞などマスコミが沢山きた。その日、NHKの夕方のニュースで取り上げられ、翌朝のワイドショーにも。私はいろいろな試写会にいったが、インデペンデント映画でこれほどまでマスコミが詰め掛けたのは経験したことがない。上映前、この映画のプロデューサーシネマとうほくの鳥居さんから熱のこもった挨拶があり、出演者が2回に分けて次々登場。東日本大震災の被災者への呼びかけと、励ましの言葉をおくった。最後に近藤明男監督が、ぜひこの映画が海外の皆さんにも観ていただき、東北の素晴らしさと平和な暮らしの大切さをアピールしたいと締めくくった。宮城の特産品コーナーはほぼ完売。私は「萩の月」の最後の一箱を買ってきた。

試写会ではあまりエキストラさんたちの安否など口に出来なかったが、戻っていろいろな震災ニュースを見聞きするうちに、ファーストシーンの北上川水辺センターが津波で流されたことや、その時舟を漕いでくれた水先案内役のエキストラの二人のうち一人の男性が亡くなられた事など知りました。いま、毎日、宮城の岡田劇場や、北上川を入れた撮影シーン、登米教育資料館のシーンなどに写された、美しい景色とエキストラの皆さんの顔顔顔をみていると、本当に残念でたまりません。でも頑張って作ります。

お知らせ:先日雑誌シナリオから、この作品の脚本の取材を受けました。6月の初旬に発刊される号に掲載されるそうです。ぜひ、シナリオ作成のエピソードが載ると思いますので書店で購入(または立ち読み!)してくださいね。