2017年秋 猫たちは…『小森和子自叙伝 流れるままに、愛』

2018年02月23日

The Greatest Showman グレイテスト・ショーマン

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                   (C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
みぞれ交じりの雨が降る寒い日、平日。きっと映画館はすいてるから出かけた。
といっても、土日は行かないので知らないが、平日は晴れてる日でもガラガラなことが多いが。

『ララランド』の音楽チームが担当しているとのことで、観たかった。
実在の伝説の興行師、P.T. バーナムをヒュージャックマンが、
彼のよき理解者で妻を『ブロークバックマウンテン』のミシェルウイリアムズ、
バーナムの仕事のパートナーを『ハイスクールミュージカル』でブレイクしたザック・エフロンが演じている。

貧しい仕立て屋の息子に生まれた男が、なんとか金持ちになりあがりたくて必死に働き、よき妻を得て、成功…、気が付いたときは妻も子供も仕事も失い、やっと仕事の仲間、家族の大切さに気が付いて、妻と子どものもとへ戻っていく…。けっこうある話。ただ、ミュージカルで、男の仕事が興行師であるところが違うのかな。
映画でストーリーを話すほどむなしいことはない、感覚なんです、この映画、なんといっても前半が圧巻。

バーナムは普通でない世間から疎まれ虐げられてきた人たちを見世物小屋に集めてショーをやろうと思いつく。
集まった人たちはお化けみたいなのもいるが、バーナムは、人間の本心は、とりすましていても、見たくないもの、隠されているものを見たいのだ、と確信していた。

廃屋のような博物館を買い取り、改装し、全米からタブーにされていたゲイや性同一障碍の人、毛むくじゃら、入れ墨男、小人などを集め、見世物小屋をひらく。あの手この手で宣伝し、開催。
演劇やオペラの批評家は、ショーを見て眉をひそめ、イカサマ師とバーナムを酷評。
でもお客は日増しに増え、お金もザクザク入り、これまで笑われたり、虐げられてきた見世物小屋の主人公たちは報酬をもらい、自分たちも何かできるんだと自信とプライドを持ちバーナムに感謝する。

虐げられてきた人たちたが、社会に抗議し始める(目覚める)ところの音楽と踊りが圧巻。『This is me』のCDほしいな。
悲しくてもつらくても前向きに生きる人たちの力は強い。それでも映画設定の20世紀初頭は上流、下流社会、貧富の差は激しく、どんなにがんばっても乗り越える壁は次々やってくるのだ。

見世物小屋と現在のマスコミとがリンクして「フェイクダだ、フェイク」なんて言葉も出てきて、現代の風刺になっている。笑えるシーンも多い。

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空中ブランコにのりながら、階級差を乗り越えた禁断のカップルのラブシーンも、魅せられた。

ヒュージャックマンはいまや大映画スターだが、実は歌って踊れるミュージカルスターでもある。
2004年にオーストラリア人作曲者兼俳優のピーター・アレンの生涯を描いたブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ボーイ・フロム・オズ』でトニー賞ミュージカル主演男優賞も受賞している。
翌年にトニー賞受賞式は司会を務め、みんなの前で踊りを披露。当時wowowで観ていて脚がよく上がるなあと感心。友人がブロードウェーで『ザ・ボーイ・フロム・オズ』を鑑賞し、出待ちしてヒューにサインをもらった話も思い出した。とても気さくな人らいい。

妻役のミシェルウイリアムスも懐かしかったなあ。テレビドラマシリーズ『ドーソンズクリーク』の大ファンで全話観ていた。主役はトム・クルーズの妻となり離婚し、いまジェイミー・フォックスとラブラブのケイティ・ホームズだったが、ミシェルはこの片田舎にニューヨークから訳ありで祖父母の元に越してきた同級生役。不良で早熟でニューヨークの高校で問題ばかり起こすので、親が、体よく田舎の親のところへ追いやった子という設定。いい子で明るいケイティとは真逆の暗くてちょっと怖いが愛に飢えているミシェル。演技もうまかった。

もうひとり、バーナムのよき理解者でパートナー、後継者となる若者はあの『ハイスクールミュージカル』のイケメン、ザック。すっかり立派な体格のお兄さんになって、空中ブランコもスタントなしで自分たちでやったとのこと。はらはらしたけど、美しいシーンだったなあ。



totoebi01 at 12:12│映画や読書の感想 
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